裏口にモンブラン

思ったことを無責任に綴るブログです

嗚呼憧れのパリ旅行 1日目「パリの地を踏んだった」

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2017年の12月、憧れのパリ旅行へ。

とても楽しく、満足のいく旅行だった。2年以上経った今でも感動は褪せない。

もしフランスに少しでも興味のある方には、ぜひパリ旅行をおすすめしたい!

私のこの旅行記が、少しでも参考になれば嬉しい。というか、書いててまたパリに行きたくなってきた。

 

嗚呼、Paris、パリ…おパリ、パリ

 

立ち寄った観光スポットやお店は下記のリストにまとめました。ピンク色の文字で書いたものはリストへどうぞ。

 

#私のおすすめ旅リスト

 https://www.tripadvisor.jp/Trips/95403130/パリ旅行2017

 

◇ 旅の目次 ◇

---今回はここまで---

モン・サン・ミシェルは良い所

・パリで一番美味しかったもの

・かわいい朝食

アメリの元へ

・冬のリュクサンブール公園

・目指せ!クリスマスマーケット

・これが一ツ星レストランだ!

エッフェル塔に登ってみた

・憧れのバトビュス

ルーブル美術館で出血

・本場のバレエを観に行こう!

・パリのミッキーマウス

ラデュレで朝食を

   

到着、シャルル・ド・ゴール空港

雑すぎる編集と的外れな紹介コメントの実写版銀魂映画を観たりしながら成田から約12時間のフライト。生まれて初めての長時間フライトだった。暇つぶしの道具は色々持参したものの、ずっと同じ場所に座っているというのがなかなかにストレスだった。

 

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エールフランス銀魂実写版紹介文

 

到着早々何でもない看板やポスターやソファにパリを感じてはしゃいだりトイレに行っている間に同じ便の団体から逸れるも、案内の看板(荷物マーク)を頼りに歩を進める。と、なぜか電車のホームに出てしまったではないか。ホワッツ!?我々は荷物を受け取りたかったんだが!?

何処かで見落としたのかとトイレあたりまで戻り再度案内通りに進むがまた駅のホームへ……なぜ?

清掃のご婦人を捕まえて荷物を受け取りたいんだがと尋ねると

「電車に乗っていくのよ」

と教えてくれた。ありがとう!ありがとう!

よくよく考えたらフランスって日本みたいに誰でも何でも答えてくれないんだよね。仕事が決まっていて。こいつら…って思われたかも。でも本当にありがとうね!

そんなわけでほとんどの客が去って閑散としたホームで電車を待っている間に思い出したんだが、夫は仕事ですでに二度パリに来ているはず……と見たら

 

(・ω≦) テヘペロ

 

じゃねーよ。記憶力が本当にザル。

 

そんなこんなで無事荷物受け取りの場所にたどり着き、孤独にベルトコンベアーを周回していたトランクを回収。我々のトランクの他にも回っているカバンがあったのだけれどあの荷物の持ち主はどこで何をしていたのだろう…?

 

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パリっぽい!って騒いでた看板。ただの看板だった

 

さて、パリヘは電車で移動する。ここに来てパリ経験者の夫が急に腕前を見せる。

シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へはRER、市内に入ったらメトロを使って移動。今回はパリ市内観光がメインなのでメトロの切符は回数券でまとめ買い。

と、テキパキと券売機で買う夫。を、眺める私。

絶対に夫から離れんとこ。一人になったら何もできない気がする。

電車を乗り継ぎ地上に出るともう真っ暗。夜。でも思ったほどは寒く無かった。
初めて降り立ったパリの街並みに抱いた感想は「銀座っぽい」だった。車道は片側二、三車線ずつある大通りで、それに沿った歩道は銀座よりも広い。歩道から伸びる建物は全てせいぜい5階立て程度で空が見える(夜だから暗かったけど)。
歩道には円柱状の掲示板がニョキっと生えていて、ガラスの中に貼り付けられたポスターがグルグルグルグル回り続けていた。なるほど、こういう風にしておけば紙が溶けたり破れたりして道を汚すことがないんだな。賢いんだなと感心した。
歩道に並ぶ建物の一階はどれも店舗になっていてそのほとんどが飲食店だった。マクドナルドもあったけどなんかおしゃれな佇まい。フランス人もマック食べるんだな!

 

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クルクル回る円柱の中のポスター


宿泊するホテルに向かうため、かわいい文房具屋さんのある角を曲がって路地に入ると一気に道が細くなった。道幅は歩道に挟まれて車道が片側一車線ずつ。確かに表の大通りよりも狭いのだが、道が狭くなっている原因は別にある。路上駐車だ。路上駐車がひどい!両サイドにみっちり二列の路上駐車の列ができているため、車道の幅は実質0.8車線。軽自動車すら通れない。というか路上駐車している車すら出られないだろう。一体どうするつもりなんだ。
幸い歩道は段差が高いため路駐車両が乗り上げることはなかった。
歩道沿いにはやはり店舗が並んでいた。ただ表通りと違って飲食店はほとんどなく、服飾店や刃物の店など。
路地裏の服飾店といっても日焼けした看板の「ファッションプラザ⚪︎⚪︎」とかではない。なんかオシャレな、洗礼された(高そうな)服が飾られている。さすがパリ(ただし日本人観光客の贔屓目。地元の人にとってはファッションプラザかも)。刃物屋さんのショーウィンドウも歴史を感じる包丁やナイフが置かれていたりして、お洒落。めっちゃお洒落。ここはお洒落街道。
ホテルはそのお洒落街道をさらに曲がった所にある。

 

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パリの路駐。無理に通ったのかサイドミラーがもげているものも

 

ホテル着、そしてエスカルゴを食べに

パリ市内の建物は全て数階建ての石造りのビルディングが隣接している。一軒家は無いし、建物の間に庭のような空間もないので一ブロック毎に大きなアパートが建っているように見える。ホテルSaint-Paul Rive Gaucheサンポール リヴ ゴーシュ)の入り口のドアはその中に埋もれるようにポツンとあった。開くと、赤いカーペーットと暖色系の灯りで照らされた暖かい玄関になっていた。
建物は京都のうなぎの寝床のような造りになっている。玄関からまっすぐと奥に赤いカーペットが伸びていて、その右手にある小部屋がおそらくロビー。暖炉とソファと鹿の頭の剥製があった。クリスマスツリーも。フロントはカーペットに沿ってロビーの隣にある。「ボジュー」と声を掛け、その後は(夫が)英語で会話してチェックインを済ませた。
ちなみに旅行中の英会話は全て夫に丸投げした。私は「ボジュー」と「メルシー」と笑顔担当だ。

 

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見てー!ホテルの壁紙めちゃくちゃ可愛い!!

 

荷解きを済ませると夕飯に出掛けた。夫がカタツムリを食べたいというので、事前に調べたレストランに向かう。

我々の宿がある場所はリュクサンブール公園の近くで、その日のレストラン「Ma Bouragogne」にはシテ島を通って向かう。

ホテルがあるのはカルチェラタンと呼ばれる区域である。映画「コクリコ坂」に出てきた部室棟の名前の元になった学生街だ。近くの建物は大学なのか、窓際に実験器具が置いてあった。ホテルの部屋から見える向かいの建物は一階にコインランドリーがあったので学生用のアパートではないかと思った。キャンバスが何枚も置いてある部屋があったので美術を専攻しているのかもしれない。

本屋や、留学生向けっぽい寿司と焼き鳥を扱っているレストランも。どちらも入ってみたかったが二の足を踏んでしまった。

 

パリ大学の横を抜けてシテ島に入ると一気に賑やかになった。

夜道は街頭で煌々と照らされていて人も多い。ポストカードを売っている売店ショコラティエには心惹かれた。帰りに覗いてみるのも良い。とにかく歩いているだけで、並ぶすべての店に入りたくなる。それがパリだ。なんだか既視感がある。同人誌即売会だ。一歩ずつ横にずれて全てのサークルの本を買いたくなる、あの感覚に似ている。

 

- Ma Bourgogne
このレストランはヴォージュ広場を囲む回廊の一画にあった。ハリーポッターホグワーツ城にあるような石造りの回廊が公園の緑地を囲んでいて、その端にレストランがある。テンション爆上がりである。


パリで初めての食事なので緊張したが、この店は気軽に入れる下町食堂という感じらしい。ピンクのテーブルクロスがチャーミングなお店だ。
なんといってもギャルソンのエスコートがそれを物語ってる。小さなテーブルがギチギチに敷き詰められていて、どうやって座ればいいのかと逡巡しているとギャルソンがガゴゴゴゴ!とテーブルを手前に引いて出来た隙間をさあ通れ!と言わんばかりに席に通された。斬新。
着席すると再びガコガコ言わせながらテーブルを押し込まれ、私は壁際の席に閉じ込められた。これ、トイレ行く時どうしたらいいんだ?


メニューを開いたが、困った。メニューが読めない。というわけではない。料理名の下にはちゃんと英語訳がついている。ただ、長時間のフライトで疲労困憊の私には、英語を一つ一つ読み解いて自分の気分とマッチする料理を選ぶだけの元気が残っていなかった。というかぶっちゃけ眠い!
外は雨が降り始めており、暖かいレストランで腰を落ち着けた途端猛烈な眠気が襲ってきたのだ。もはや食事よりもホテルに戻って眠りたい所存。
そんな私の眠気との葛藤など気にもせず、夫は

 

「ステーキにしようかな」

 

と上機嫌。


ちょっと待て。カタツムリはどうした?君がカタツムリを食べたいというからわざわざ寒い中歩いてこのレストランまで来たんだぞ。
(この時の私は知らなかったが、実はエスカルゴはパリのレストランのどこでも食べられるのだった)
私はもはやメニューから選ぶのを諦めて、事前に雑誌で仕入れていた情報で、名物だというタルタルステーキを注文。さらに夫は赤ワインを瓶で頼みやがった。ばかやろう、そんなの飲んだら寝てしまう。


私たちはほぼ一番乗りで入店したようで、段々と周りに人が増えてきた。
私の正面に座る夫の背後には背丈が小さく、ずんぐりむっくりした中年男性が一人で軽い食事を取っていた。常連らしく、ギャルソンと談笑している。どうやら連れがいるのだが待ち合わせに遅れているらしい。(と、想像してみた。身振り手振りからそんな感じかなと)
私から見て左の壁際の席に通された二人組のマダムはおしゃべりしながらディナーを楽しんでいた。が、視線を向けてびっくりした。犬がいる!
ソファの上に小型犬が座っていたのだ。犬も入って良い店なのか。というか、全然声も音も臭いもしないから気づかなかった。パリの犬はお行儀が良いみたい。
そうこうしているうちに料理が運ばれてきた。
夫の方には立派なステーキとフライドポテトが乗った皿。ステーキなぞ、日本でも食べられるだろうにと鼻で笑っていた私の前にタルタルステーキの皿がサーヴされる。


う…タルタルステーキ……君、生肉だったか…。

 

嫌いではないけどね。馬刺しもユッケも好きだし。

タルタルステーキ、これは西洋風の味付けのユッケという感じ。でも今じゃなかったかなー!あったかいもんが食べたかったなー!
しかもこれがなかなかの量である。一皿まるまるタルタルステーキをドーン!もう一つの皿にはフライドポテトドーン!

ヨーロッパの人って芋が好きだよね。前にアイルランド料理を食べに行った時も頼んだ料理すべての皿の半分をマッシュポテトが占めていた。料理を頼めば頼むほど増えていく芋。料理を食べにきたのか、芋を食べにきたのか…。そんなあの日の記憶。

タルタルソースをバケットに乗せて食べてみるも、あっという間にパンの方が底を尽きる。パンとタルタルステーキのバランスがおかしい!
へぇ~フランス人てこの量の生肉のタタキをパンにも乗せずガッツガッツ口に運ぶのか~!カルチャーショック~。と遠い目をしながら肉をちびちび、ポテトをガツガツ。泣けてくる…ポテトの方が普通に美味しい。あったかいもん…。


結局フライトの疲れと眠気もあってほとんど食べられず食事を終えることに。パリで最初のディナーとしては悲しい限りである。
店を出る前に夫がトイレに行くというので、私は少しの間一人になった。その途端、とてつもなく気持ちのいい眠りの世界に誘われる。
ハッ!と気づくとテーブルに突っ伏しそうになった私の鼻先に伝票が置かれているではないか。は、恥ずかしい…!ギャルソンに「こいつ寝とるわワロス。顔の下に伝票置いたろ」って思われたに違いない。

 

店を出て再びシテ島を歩く。残念なことにポストカードを売っていた売店もあのショコラティエも既に閉店時間を迎えていた。おまけに冷たい雨がシトシトと体にまとわりついてくる。逃げるようにメトロに乗ってホテルに戻った。

流石に夫も疲れてきたらしい。翌日はモン・サン・ミシェルに行く予定を立てているが、果たして起きられるだろうか。体力はあるだろうか。

行けたら行く。そう意見が一致して、パリ旅行1日目は終わった。

 

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ノートルダム大聖堂とクリスマスツリー。パリに来たー!と実感

 

 次回は

モン・サン・ミシェルはいいとこだ」

です。