裏口にモンブラン

思ったことを無責任に綴るブログです

本を30冊読む

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

本を30冊読む。実は以前にも立てたことのある目標だったけれど、達成されずに終わった。

30冊。多いだろうか、少ないだろうか。まぁ人によるだろうけれど、単純に月で割ると月に2.5冊読むことになる。これはなかなかのペースでは無いだろうか?少なくとも、「時間ができた時にゆっくり読もう」なんて考えていると以前の二の舞になることは目に見えている。夜、子供を寝かしつけてから〜とかやると絶対にフラグなので、朝起きたらまず本を開くとか、そのくらいの危機感を持って読書に挑んでいる。仕事の合間に〜とかも絶対読まなくなるし。わかってんだぞ?お前のパターンは。

30冊はなんとなく決めた冊数で、自分の読書ペースや持ち時間からの逆算ではなく、うーん…こんくらい!と直感で決めた。なんかしっくり来たので、目標としてはちょうど良いのだと思う。逆算して設定すると、達成できなかった時のダメージが結構大きそうなので…。やっぱり私はダメな奴だぁ…って感情に苛まれそうなので…。

読みたい本が30冊あるわけでもない。けれど、これから約一年後、2023年の終わりに30冊読み終わったという実績が自分にどんな影響を与えるのか、興味がある。いわばこれは実験だ。30冊の本を読んだ自分というのは未知の世界のものなので、それを見たくてウズウズしている。

そもそも読書を目標にしたのは、昨年の12月に読んだピーターラビットアドベントカレンダー絵本がきっかけだった。一日一話、(一話が大体4ページと地味に多かった)寝る前にベッドの中で子供に読み聞かせた。ただまだ子供が小さくて、読んでる途中で「おしまい!」とやられたり、ドタバタされたり、というか子供は朗読をBGMに乳を飲んでいる体たらく。

しかし面白かったのが、毎日読んでいると子供の様子にも変化が出てきた。挿絵を指差してうさぎさん、あひ(アヒル)、ねこちゃん、とか言い出したり(可愛い)、そのうちピーターの名前を覚えて「ぴた!」と言って指差したり、怪我をしているピーターの挿絵をいいこいいこしてみたり。

25日の朝に最後の話を読み終えて、夜は本を持たずにベッドに入ったら「ぴた!」と催促された時は驚いた。

案外文字だらけの本でもいけるのか?と味を占めた私は家にあったパディントンの児童書に手を付けた。暗黒の土地・ペルーからイギリスに密入国したクマの話である。パディントンの挿絵は白黒な上にピーターラビットよりだいぶあっさりしているのでどうかなと思ったけれど、表紙を見るなり「くまさん!」と嬉しそうだった。表紙にいるのは帽子を被った毛むくじゃらの二足歩行なのによくクマだってわかったな。

正直、児童書を読むのって辛い。子供向けなので、大人になってからだと読みにくい文章なのだ。でも子供に向けて音読をしているとあまり苦しくなくて、目が滑っていた文章がちゃんと頭の中に入ってくる。こりゃあいい。パディントンを読み終えたら、次はミヒャエル・エンデの「モモ」を読もうと密かに画策している。

「モモ」は子供の頃姉が読んで絶賛していた本だ。なので興味はあったのだけど、姉の本を開いてみて、1ページ目で「挿絵のない本なんてつまらないわ」とアリスの様なことを言って閉じた。要するに難しかったわけだ。けれど、読んでいないからこそ気になる。モモってホームレスなんだよね?時間泥棒って何者なんだ?と30ウン年間心の隅で容量を食っていた疑問が、ついに解消される時がきている。

「モモ」を読んだら、私はもう子供の頃の「時間泥棒って何者?」という私とは別の私になる。それはとてもドキドキすることだ。30冊の本を読み終えた私もまた、そういう風に別の自分になるというのがワクワクする。

2020年に子供を産んで、2021年はつきっきりで子供を育てた。2022年は仕事復帰して、仕事と育児の二足の草鞋でてんやわんやだった。自分のことは何もできないここ数年だったけれど、それでも今までになく充実していたのは育児という、草鞋ならぬ下駄を履いていたからだった。自分から何も始めなくても、どんどん新しい仕事が与えられて否応無しにスキルを磨くことができて、子供のおかげで成長出来た2年間だった。

では、2023年はどうだろうか?このまま、去年と同じ事を繰り返しても、たぶん去年以上の成長は見込めないだろう。一年が経った時、何も変わっていない自分にがっかりする…と考えてゾッとした。今年は踏ん張りどころだなぁと思う。2年分、私は社会における市場価値を落としている。のほほんとしていたら、育児が一段落した時に、何も持ってない人間になってしまう。

読書の他にも、色々目標は立てている。どれか一つでも出来たらいいな、ではない。全部達成する。そのくらいしないと、母親という下駄を脱いだ瞬間、自分に価値がなくなってしまう。